まとめ

カフェの歴史

HISTOIRE DES CAFES
プロコピオ、アイス、コーヒーとレモネード
Procopio, glace, cafe et limonade
中世の居酒屋
La taverne medievale
カフェで飲まれたアブサン
L'absinthe dans les cafes

パリの歴史的カフェ
CAFES HISTORIQUES

カフェとブラッスリーの文学賞
PRIX LITTERAIRES

 

 

カフェでのアプサン L’absinthe dans les cafes 2/2

 

 

Le verre d'absinthe - Paris 1887
Van Gogh
Musée Van Gogh Amsterdam




マルトゥリス、ラット・モールやシャ・ノワールはじめ、モンマルトルのカフェでは、このモダンで刺激的な飲物は印象派のドガやマネ、ゴッホ、ゴーギャンたちの気を動転させる、かつ魅惑していった。ゴーギャンは叫ぶことはしなかった。「私はドアのところに腰を掛け、煙草をくゆらし、アプサンをちびちび飲みながら、残りの世界を気にかけることもなく日々を尊重している。」画家達は皆、彼に何枚かの絵を捧げた。

 ニコール・キッドマンが演じている映画、ムーラン・ルージュの世界は現実からほど遠いものではない。モンマルトルにいたトゥルーズ・ロートレックは1889年に、若い娘達の顔を赤らめるカクテル、「サヴァン・メランジュ」を開発した。これは爆発的なアプサン、マンダリン、赤ワイン、極上のブランデーとシャンパンでつくったカクテルである。

 アプサンは同様に、オスカー・ワイルドやランボー、ボードレール、ジェームス・ジョイス、ヘミングウェイ、エドガー・ポーなど青い目の小説家たちに霊感を与える存在となった。オスカー・ワイルドは、アプサンのことを「ザ・グリーン・フェアリー」、つまり緑の妖精と命名し、「アプサンは物事を忘れさせてくれるが、その後頭痛の報いも受けることになる。1杯目のアプサンは、物事を見たいように見させてくれる。2杯目ではそれがありえない様子で示される。3杯目以降になると、それを真の姿で見ることができる。」と証言している。

 カフェやビストロ、キャバレーの発展とともに、アプサンは非常に早く大衆化され、アプサンの値段がワインよりも安くなった1880年には国民的飲料になった。

   

しかし、アプサンに含まれているティヨンヌが、感覚を興奮させ、精神錯乱を引き起こすと言われはじめた。こうしてアプサンは19世紀末の労働者階級の人々のアルコール中毒の主な原因として責め立てられることになる。そしてこの飲物は1915年には製造と販売が禁止されたのである。

 1988年からは、ティヨンヌの使用を10%以下にしたアプサンベースのスピリッツの製造が認められた。今日ではアプサンがパリのいくつかのカフェで、再び姿を現している。